実地医家のための会とは
1. 人間の医療のオピニオンリーダー
創立以来40年にわたって、本会は一貫して実地医家による人間的な医療の実践を第一の目標に掲げて生涯学習を積み重ねており、「人間の医学」のオピニオンリーダーとして高い評価を得ております。そして、私たちの勉強の成果を日本医学会総会や各医学会にシンポジストあるいは特別講演者として講演したり、論文を発表する会員が続出しています。なお、日本医師会最高優功賞の受賞者はすでに16名にも達しています。
2. 日本プライマリ・ケア学会の産みの親
日常の医療のなかでの貴重な経験を集めて分析し、これまであまり顧みられなかった領域の学問としての成果を積み重ねることが必要だとの考えから、本会のなかの学問的側面を母体として1978年（昭和53年）に「日本プライマリ・ケア学会」が設立されました。しかし、本会でも引き続き会員による共同調査をおこない、「心筋梗塞」「脳血管障害」「慢性肝炎」「電子血圧計の信頼性」などの研究に大きな成果を上げています。
3. 面白くてタメになる例会
毎月第2日曜日の午後に開かれる例会は、自分たちの問題は自分たちで解決しようという基本理念にそって、各科の枠組みにとらわれない身近かなテーマを選んで行われます。会員による発表を中心に据え、その道の専門家をまじえて勉強します。単なる講演会でもなく、学会でもありません。医学的課題ばかりでなく、医療的課題もとりあげるのは本会だけで、気さくな血も涙もある面白くてタメになる人間的な例会です。
4. 何でもものの言える会
例会では本会ならではの名物「自由交見」の時間があります。どなたでも自分の考えや疑問を遠慮なく発言できます。自由に意見を交換して会員がお互いに教え、学びあう時間です。シドロモドロでも、まとまらなくても、不勉強でも構わないのです。つまらないことでも、小さいことでも尊重されます。本音が言える会です。熱気のこもった討論やユーモア溢れる感想などで時間を忘れるほどで、みんなで楽しく勉強できます。
5. 個人の自由を尊重し、学閥・身分・年齢は無関係で、ボスを作らない
会員の個性と自由を大切にするリベラルな会です。学閥もなく、ボスもなく、政治も持ち込みません。年齢も関係なく、若い人の意見も大いに尊重され、ハダカでつき合える会です。自主性が重んじられており、会則や規約などというものもありません。したがって会長などというものもいません。入退会も自由で、会の活動に参加するしないも自由で、誰からも強制されません。会員の義務もありません。
6. 会の運営に誰でも参加できる
会は世話人によって運営されていますが、世話人を選出する規則もありません。世話人会は原則として例会の前日の夜に開かれます。この世話人会をまとめる人が世話人代表で、会長ではありませんので、何の権限もありません。世話人は全国におり、手弁当で会を運営しています。誰でも世話人になることで会の運営に参加できます。世話人になりたい方は会員名簿を見てお近くの世話人にご相談ください。
7. 専門を問わない
内科系の会のように思われている方が多いのですが、外科系の方もおり、多彩な顔ぶれが揃っております。全部の診療科の方がいますので、専門外の貴重な情報が得られ、いざという時にはお互いに頼りになる他科の友達ができます。また、開業医ばかりでなく、勤務医の方も大勢います。さらに、大学の先生や医学生もおり、例外的ですが、新聞記者もいて、間口が広く、懐の深い合なのです。
8. 全国に友達ができる
全国各地に地方支部があり、それぞれ自主的に例会を開いています。東京の例会に参加できない方でもそれらの例会のどれにでも参加できます。また、年に三・四回は東京以外で例会を開きますので、各地の会員と親しくなれ、隠れた土地の味や名所を楽しむことができます。土曜の午後に出発して日曜夜に帰れる日程を組んでいます。こうして日本中にすばらしい親友を作れます。ゴルフの会（IKO合）もあります。
9. 充実した機関誌「人間の医学」
例会に参加できない場合でも、機関誌「人間の医学」でその詳細を学ぶことができます。また、自由に自分の意見や研究などを誌面に発表できます。掲載される記事はほとんどすべて会員の手づくりです。いろいろな意見があり、考えがあり、視野が広がります。
10. 会員になったら参加しないと損
本会は特定の団体や企業との結びつきはありません。すべて会員の会費で賄われています。企業に寄付を求めることもしません。したがって、会員の意向を常に合の運営に反映させるように努力しています。例会に伴って開かれる懇親会はいい機会です。初めての方でも気軽に世話人に声をかけて下さい。世話人も新しい方がおいでになるのをお待ちしています。本会は新しい仲間の新鮮な感覚と活力を期待しています。
機関誌「人間の医学」創刊号 巻頭言